今日の言葉
天業
「その人の尊い人間内容がにじみ出てくるとこれを徳業という。
それが更に徹底した人間の真理に結びつくようになると道業となる。
ついに自然と人間とを一貫して繁栄することを天業という。」
この言葉は、私の師、安岡正篤先生から学んだ。
齢八十数年にして、八合目にいる…。
しかし、頂きに立つのは、時間の問題と自覚している…。
「人間の真理」とは如何なることか…。さらに、「自然と人間とを一貫…」とは何か。私はまとめてそれは「四無量心」と解釈している。
私は高等学校・大学時代、熱烈な精神的要求から、悶々として西洋近代の社会科学から、宗教・哲学・文学などの本を貪り読んだ。ダンテ、ドストエフスキー、トルストイ、ニーチェ、ワイルド、マルクスなど耽読した。さらにセネカや、モンテインやパスカル,アミエルなども好んで読んだ。
しかしどうしても不満や焦燥の念に駆られ、内心の安立には程遠いものを感じた。やはり少年のころから親しんだ東洋哲学の書にかえった。
私心の的を得たのは、生涯の師、安岡正篤先生から学んだもの以外はない。
「天業」こそ先生が求められたものだと確信した。今、師の後を追っている…。
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