由良川に注ぎ込んでいる久田美川は台風7号による集中豪雨により甚大な災害を受けた。久田美川に沿って点在する約百数件の村落の半数以上が被害を受けている。
被害状況は、床下・床上までの土砂流入である。原因は上流からの流木が久田美川をせき止め、越流した土砂が家屋に流れ込んだものと、久田美川に流れ込んでいる支流が、久田美川の流木堆積による越流により流出が阻害されたたために家屋に土砂が流れ込んだものとの二面からである。
いずれにしても上流からの膨大な流木がその原因である。
具体的に言えば、久田美川の流域面積内の急峻な地形にある杉檜などの成木が伐採されて放置された。それが今回の豪雨により法面の崩壊とともに下にある樹木をなぎ倒し土砂とともに流出した…というのが正しいと言える。
いずれにしても久田美川の始流の地形は大きく変化している。渓谷が大規模な法面崩壊で大量の土石により平坦地となった。
更には、久田美川は長年土砂の堆積を放置されていたため、河川の断面が著しく変化している。
舞鶴市・京都府の担当部は、久田美川の流域面積から、計画降水量を定めて、単位時間当たりの流出量を算出して、久田美川の必要計画断面を決定する。
そして、その計画断面積と現況における断面積を比較検討して、拡幅計画あるいは堆積した土石の浚渫工事など適切な事業を実施すべきと考える。
河川工学を学んだ職員であれば、コンサルタントに委託する以前の問題である。事業計画・事業実施について国との交渉を期待する。
【関連する記事】