彼との交友は、もう十八年は経つ。
彼は公認会計士でありながら商演劇のプロデューサとして活躍されている。特に、アメリカの喜劇作家でオスカー賞を受賞したニール・サイモンの作品だけを取り上げて上演する日本ではめずらしいこだわりのプロデューサなのである。
確か高槻文化振興事業団に公演依頼に持ち込んでから五年後にやっと実現できたことが懐かしく思い出される。
今から十五年ほど前、当時の女性専務理事の一言がカチンと頭にきた。
「あなたは土木技術屋さんですね、なんでニールサイモンをしっているのですか?それもありますが高槻ではそんなんは受けませんよ。だって市長そのものがカラオケしか知りませんからね。又、高槻市民も知らないですし…まぁーあきませんよ」とのお言葉。
何のための文化振興事業団なのか、そんなに低い文化なら、それを側面からもり立てて、少しでも高槻市民の意識向上のために仕掛けていくのが、仕事と違うか!と憤りを感じた。
その後、五年間堀野氏と私との何度と訪問をして、丁度私の友人が担当部長で就任してきたので、彼の力添えもあり、実現した。
確か岡田真澄・水谷良枝(二代目水谷八重子)が出演したニールサイモンの作品だった。
岡田真澄氏や水谷良枝氏と楽屋で楽しくお話をさせて頂いた。
水谷氏は新派の要となり、現在も活躍されているが岡田氏は一昨年?亡くなられた。ご冥福をお祈りしたい。
話をもとにもどして、その時、当劇場始まって以来の「大入り袋」が出た。丁度、その日、エントランスで私の招待客を待っていたら、その女性専務理事がみえた。「Oさん、おめでとうございます。良かったですね…」「ハイ、おかげ様で…」後の言葉は呑み込んで抑えたことがこれまた懐かしい。
ニール・サイモンに魅かれたのは、彼の作品はすべて、セリフが長い
それを演じる役者さんも大変だと思う。しかし、彼の作品には、人間が感じられるのである。その意味で私自身のめりこんでしまった。アメリカ人的感情の入り込んだものではあるが、それを上手く訳して役者に演じさせているのも堀野氏の骨頂である。
高槻市民も舞台を見て、屈託なく笑っている。そしてそのあと、チョッピリ感傷的になっている。少しでも現実から離れて、あぁー、こんな世界もまたあるんだなー、しかし、どこかであったような…と想いが湧き出て、又明日への生きる糧になればそれで良いのです。
そんなことの積み重ねが、人(市民)の心を動かす源になっていくのではないでしょうか。それが文化振興事業団の仕事と違いまっか…
と。
今回は、作:アイヴァン・メンチェル、翻訳:丹野郁弓。
演出:竹邑 類
出演:丘みつ子・進藤恵美・汀夏子(元宝塚)・小野寺昭
那智ゆかり(元松竹歌劇)・汐夏ゆりさ(元宝塚)
大変面白く、又考えさせられる舞台でもある。全国で16の公演を企画されている。近くに来た時には、ぜひ見て下さい。
私の法人の活動に御賛同頂いた企業、個人の方々にこの場をお借りして、厚く御礼申し上げます。この次の企画は、二年後です。その節はよろしくお願いいたします。
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