2008年02月27日

エミリー・ウングワレー展

大阪の国立国際美術館で、アボリジニが生んだ天才画家・エミリー・ウングワレー展が開催されている。
開催に先立ち2月25日(月)に内覧会と開会式・レセブションに当美術館学芸課長の島氏から招待状を頂き見てきました。

確か以前にTVでオーストラリアの先住民族であるアボリジニのことを見た覚えがあるくらいで深くは知らなかった。

オーストラリアは建国より約二百年余りの新しい国で先住民族のアボリジニは四〜五万年前からその大陸で暮らし、赤い大地をカンバスとして、彼らの世界観に基づき、おおらかな芸術的行為を繰り広げてきたと言われてる。

特に、石器時代的な狩猟採集経済を営みつづけていたという不思議な集団である。しかし、1776年に英国がこの大陸を植民地としてきた。近代文明と対峙したことにより、人口が激変して崩壊していった。

1967年に国民投票でアボリジニを国民と認める憲法改正が行われた。政府はアボリジニ社会の再構築をしようとしたが成果はあがらなかった。すなわち、その根源には両者の社会観、とくに経済概念の違いである。アボリジニは、定住しない、財を平等に分配する。その場で消費して蓄財しない、明確な計画性をもたない。など独特に社会組織と相恵性経済を営んでいたので、政府がもたらした貨幣経済にすんなりと適応できなかったのである。

新しい政策が軌道に乗り出したのは1970年代の後半といわれている。政策的なものとして、農業、牧畜、漁業、工業などは全て頓挫。
採算がとれそうなのは美術・工芸だけであることが分り、それに集中するよになった。大まかにアボリジニの歴史は以上である。

そして、この女性、エミリーウングワレー(1910〜1986年)はその延長線上に存在した。86歳で亡くなるまでの十年間には、三千枚〜四千枚の絵を描き上げたとされる。

絵のもととなるモデルは、彼らの主食でもある「ヤムイモ」を題材したものが多く、黒いキャンパスに無数の線が描かれている。
又、点描で表現したものが多い、

何ら美術の教育も知識もない。しかし、その絵が観る者を感動させる。
自然とともに生きる彼らは、體に描いていた模様(ポディーペインディング)と、大地をまさぐって彼らの食べ物であるヤムイモ(地下茎とイモ)を、それらを紙に移し替えて表現した。

自然と共存する彼らには、大地との対話が出来るのであろう。
その時の感情を実に見事に色で表現している。
見たまま、感じたまま、あるがまま、なのである。それが私たちの心を揺り動かす。時間に追われるような、ものに動かされているような…、現代社会にあって、かって私たちにもあった原体験にまで蘇らせる力をもった絵であることには間違いない。

是非一度鑑賞されることお勧めしたい。とともに、この機会を頂いた島氏に感謝したい。




posted by 弘心 at 00:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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