今、我が国が大きく揺れている…。即ち、「国有地売却に関する決議文書改ざん問題」である。ことの起こりは、学校法人に学校建設に伴う国有地払い下げにことを発する。幼稚園児に教育勅語を暗記させて父母の前で唱和させる…異様な雰囲気の中に子どもを置く…、時代錯誤も甚だしいこの学校に、こともあろうか時の総理大臣の妻が賛辞をおくり、名誉校長などを引き受けている。この学校法人に国有地を払い下げることが進む…。国は財務省が担当。国会は野党の払い下げに伴う交渉経過資料提出を巡り与党と対峙、空転する。ここに提出資料の改ざん問題が浮上する。見つけ出そうとする野党と、隠し通そうとする与党。人間は権力のあるものに対して全ての者とは言い切れないが、おもねようとする姿勢がある。今回はこのことが如実に現れたものと断言できる。
一国の総理大臣の妻が関係する事業なので何とかしてその思いに添いたい…。その空気が組織の中に充満した時、やってはならないことまで犯して忠誠心を表そうとする。その経過を記した公文書が、後になって国会の中に提出することになった時、組織は都合の悪い内容を外して抵抗のないようにする…。そのことが今、おおやけになろうとしている…。安倍首相はこのことについて、次のように語る。
「…国民のみなさまから厳しい目が向けられていることを真摯な受け止め、なぜこんなことが起きたのか,全容を解明するため調査を進めていく。…」と述べた。」
私はこの言葉を聞いて、唖然とした。ことの発端は自らの妻が総理大臣の妻という立場を利用し国有地払い下げの交渉に関与したことにある。
国有地払い下げの交渉に安倍首相の妻が嘴を入れた。その内容が経過資料となった。都合の悪い経過をないものとするために、余分な文章を削除したことが今回表面に出た…。何故、削除したのか…根底には安倍首相の国会答弁(私や妻は一切関係していない…)に整合性を持たせる為に、財務官僚が経過資料を改竄した。その為に若い官僚1人が自殺した。さらには担当部局のトップは辞職した。
たった一人の智慧をもたない女の行動のために、人の命が失われ、又、有能な官僚も輝ける人生に終止符を打った…。そして国民の税金が空転国会に無駄な費用として使われたことになる。ことの発端となった女については、毒婦と表現してもよいであろう。
今の日本人はなぜ管子が説く「四患」のうちの一つ、「偽」ということを犯してしまうのか…。政財界に蔓延しているこの現状は、この国をどこへ導こうとしているのか…。
国民一人一人が真剣に思慮することが必要ではないか。
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